州立恐竜公園

州立恐竜公園

「州立恐竜公園」はカナダのアルバータ州にある世界遺産で、恐竜の化石が数多く出土したことでよく知られています。別の呼称を「ダイナソール(Dinosaur)州立公園」と言い、北米大陸東側にあるロッキー山脈の東南にありカルガリー(Calgary)市街からバスで2時間ほどの所にあります。

世界遺産としての登録区分は「南北アメリカの地球生成に関する自然遺産」とされており、83万平方メートルの広大な谷でバッドランド(Bad land)と名づけられるとおり、まさに草も生えない荒涼とした景観を見せています。侵食されてむき出しになった岩肌は白亜紀の堆積層がむき出しになって見えており、壁面からは恐竜の化石が覗いています。いたるところに林立する土の塔は石灰岩が雨によって侵食されて形成されたもので、奇妙な景観を作り出しており、まるでSFの世界でも見ているような不思議な世界となっています。

ボーンベッド(Bone bed)というあだ名がつくこの土の塔からは数多くの恐竜の化石が出土しています。本来は地下深くに埋もれているはずの化石が露わに見えているのは、ロッキー山脈の氷河とそれが溶け出した水による浸食で地層が深く削られ、地表近くにむき出しになったせいです。つまり7500万年前にはこのあたりは植物が生い茂る亜熱帯であり、恐竜の楽園であったことを示しています。1箇所から12体もの恐竜の化石が見つかったり、卵のままの化石や孵化したばかりの雛の化石も見つかっており、単独行動を取ると想われていた恐竜が、実は家族を中心に群れを成して行動していたことが州立恐竜公園で証明されたのです。ティラノサウルス、アルバートサウルス、トリケラトプスなど39種類もの恐竜の種がここで発見されており、7500万年前の地球は恐竜王国であったことを如実に物語っています。

しかしこの恐竜の楽園にもやがて終末が来たことをバッドランドは証明しています。この州立恐竜公園に広がる堆積層は基盤となる陸成のオールドマン層(Oldman Formation)、その上に重なる恐竜公園層(Dinosaur Park Formation)、最上層の海成のベアポー層(Bearpaw Formation)で構成されているのですが、恐竜公園層の上の厚さ10cmの黒い地層(K・T境界層)の上からは全く恐竜の化石が見つからないことから、恐竜の絶滅した時期が推定されました。この黒い地層こそが6500万年前に巨大隕石がメキシコに衝突して巻き上げられた土が堆積したものであり、10cmも降り積もるまでの数ヶ月間は土煙のため太陽の光が失われ地上の生物が全滅したことを証明しています。